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しかし、なんの因果か分からないが今目の前にはさっきとはジャンルの違う頭のおかしい輩が光の前を遮っていた。
「おねーさんひとり?一緒にそこらで飲んでかない?」
いつの時代のナンパだ、いや、最近はこんな感じなのか、てかなんだそのモヒカン頭は。ウケ狙いか。笑えん。という無意味な感想を抱く。
無意識のうちにため息をつく光。
「いや、友達と待ち合わせしてるので」
勿論待ち合わせなんてしていない。
「じゃあその子も入れて飲まね?おれの連れもあっちで飲んでるから。ねぇ、いいじゃんか」
「結構ですから」
「まあ、そう言わずにさあ」
しつこく付きまとう男(爆)に苛立ち始めている光。
さて。
目の前にいるモヒカンナンパ男。
魔王と自称して同居を申し込み、断られ、肩を落として去っていった男。
……。
断然魔王と名乗った男の方がマシだ。
「いい加減にしてください、急いでるので」
「いいじゃん。一杯くらい付き合ってよ」
捕まれた腕を振りほどこうとしても力が強く、光の腕を離さない。
「嫌です。酔っぱらいは嫌いなもので。輪に入りたくないというのもあります」
「へえ、ねーさん強気だねえ。お兄さんもさすがに怒るよ?」
ヘラヘラ笑っているが目の奥に怒りが見え隠れしているこの男からどうやって逃げようか考えている光。
もう警察呼んでもいいかな、でも事情聞かれたりするのかな、面倒だな。
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