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「こんばんは、魔王です」
「…は?」
今目の前に現れた男は確かに魔王と名乗った。
宙に浮いているこの男、自称魔王は初対面にも関わらず自分の名前を口にし、綺麗に苦笑いをしてみせるこの男(オス?)に光は戸惑っていた。
まず宙に浮いていること。
そして魔王と名乗ったこと。
そして、この現代社会に魔王と言う存在は認められていないし、誰も信じてはいない。
勿論、光も信じていない。
しかし、魔王と名乗るこの男。
この目の前で宙に浮いているという事実が、この男が人間であるということを否定している。
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