1# 魔王降臨

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「こんばんは、魔王です」 「…は?」 今目の前に現れた男は確かに魔王と名乗った。 宙に浮いているこの男、自称魔王は初対面にも関わらず自分の名前を口にし、綺麗に苦笑いをしてみせるこの男(オス?)に光は戸惑っていた。 まず宙に浮いていること。 そして魔王と名乗ったこと。 そして、この現代社会に魔王と言う存在は認められていないし、誰も信じてはいない。 勿論、光も信じていない。 しかし、魔王と名乗るこの男。 この目の前で宙に浮いているという事実が、この男が人間であるということを否定している。
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