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「じゃあ、お話させていただくね」
急に真面目な顔と声色で話始めた魔王を見て光も自然と真剣な顔つきに変わる。
「実は…」
ここで言葉をつまらせる魔王。
余程真剣な話なのだろう。
「…実は、こっちの世界に旅行しに来たんです。魔界から。そこで一時的な居住地を勝手ながら佐原 光サン、あなたの家に決めさせてもらいました」
「…は?」
唐突すぎる同居宣言に光は固まった。
手から滑り落ちた短剣が地面にぶつかり乾いた音をたてる。
「あ、それと佐原サンが家にいない間は家事は主に僕が担当するから。晩御飯も作れるよ。お世話になるわけだし」
光が一言も喋らない間に勝手に光の部屋に転がりこむことを決める魔王。
ようやく我にかえった光は焦った。
なんせまだ出会って間もない頭のおかしいヤツが同居すると言うのだから。
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