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先生は、私といてドキドキしたりするのかな。
青になったのを確認して、車を走らせ始めた先生の横顔をじ、と見る。
ちょっとした刺激で簡単に狂う、自分の心臓に手を当ててふと、そう思った。
いつも飄々としていて、涼しげで冷静。
女性の扱いに慣れてるから?
………ダメだ。
自分の思考にダメージを受けて、視線を下げるとサンダルが目に入った。
すみれちゃんのヒール………きれいだったな。
キラキラとした輝きが、悠花さんのオーラと重なる。
「下ばっか向いてると、酔うヨ」
「………」
悠花さんも、酔うの?
黒い感情がジクジクとわき上がる。
先生の言葉を素直に受け取れず、無言で顔を上げた。
「怒ってんノ?」
「………怒ってません」
「じゃ、スネてんだ」
「スネてませんっ!」
「ハイハイ」
っふ、と鼻で笑う先生に悔しいような、悲しいような気持ちに支配されて、泣きそうになる。
「……はぁー」
無言の私に、先生の口から長いため息が吐き出された。
その気配にぎゅ、と身が縮む。
ーーー怒らせた。
いよいよ視界が潤みそうで、ぎゅっと唇を噛む。
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