第1章

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「アンタも集中しなサイね」 おでこにピシリ。 デコピンが与えられた。 「………バレましたか?」 上目遣いで先生を探ると 「バレバレですネ」 ニヤリ、意地悪に片方の口角だけ上げていた。 「………ひいきだ………」 「ああ?なんか言いましたカ。 口動かす暇あったら、手動かせ、手を」 「くうううっ」 見事な切り捨てっぷりに、苦笑いがもれる。 シャーペンを握りしめ、悔しそうに唇を噛みしめる隣の柴田君が心底気の毒に思えた。 「………羽村休憩していいよ。アンタはメドついたでショ」 「あ、はい」 「じゃ、俺もそろそろ………」 「ほおー。休めるんだ?お前ソレで休めるの。 ヘェー。感心するナァ」 「少年、無理だ。勝ち目はない。やれ」 「………はい」 「がっ、頑張って」 小さい声で応援すると、来たときより痩せたような顔の柴田君がコクリと頷いた。 不意に先生が、すっと立ち上がる。 どこ行くんだろ、と目で追うと 「タバコ。 切れたからそこのコンビニで買ってくる」
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