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「へぇ……。先生、結構吸うんだ」
「結構どころか、かなりのヘビースモーカーでしょう、あれは。
見てて思わない?」
「あ、私吸ってるとこ、あんまり見たことなくて………」
私の言葉に、嶋本さんの動きが止まる。
「えーマジで?俺、この前初対面みたいなモンなのに、ずーっと吸ってたぜ」
柴田君が体を横にして、肘をつきながら怪訝そうな顔をした。
「それに、センセーんとこ行ったらいタバコの匂いがする日があるんだよ。
あれ、冴島のだったんだなぁ」
柴田君の言葉に、血液が逆流するようなめまいを感じる。
悠花さんの部屋………。
「ちょっ、少年!!」
「え!?あ、いやっ。そ、そうじゃなくて……」
改めて思い知るその存在。
圧倒的なオーラで微笑む悠花さんを思い出して、胸が強く締め付けられた。
「なな、なし!今のなし!!
羽村、嘘の方向でっ」
起き上がって両手をブンブンふり、
慌てふためく柴田君に小さく笑ってみせる。
「……大丈夫だよ。
ちゃんと知ってるから」
「………」
あちゃーと、額に手を当てる嶋本さんと、あわわわわ、なんて言いながら挙動不審な柴田君に作り笑顔を重ねる。
「そうだ、今のうちにお姉ちゃんに電話しておくね。
ベランダ、出てもいいですか?」
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