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突然の質問の意味が分からないといった風に、眉間にしわを寄せる先生。
「はぁー。
イケマセン。体に毒デス」
「………自分はヘビースモーカーなくせに」
縁に乗せた自分の腕に顎を置きながら小さく反論する。
「………暁か。
ロクなこと喋らないな、アイツは」
ため息混じりに呟いた。
「………ナニ凹んでるノ」
「凹んでません」
「そんなに吸いたいノ」
「………別に」
「………」
「………」
「………もひとつあったな、」
片方で頬杖をついたまま、私と視線を合わせる。
「ゴキゲンとる方法」
糖度を増した瞳に、きゅうっと胸が甘く疼く。
先生の指の背が、私の頬を下から上へザラザラと刺激する。
指が去るとすぐ、先生の唇があてがわれて一気に脳が沸点に達した。
たまらなくて先生のシャツの裾をキツく握りしめる。
するすると器用に頬から耳へと移動する、生き物のような温かい感触に小さく声がもれた。
「………ホント、耳弱いね」
耳元で囁かれるその低い呟きに、固く目を閉じてゾワゾワと湧き上がる蜜に耐える。
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