第1章

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突然の質問の意味が分からないといった風に、眉間にしわを寄せる先生。 「はぁー。 イケマセン。体に毒デス」 「………自分はヘビースモーカーなくせに」 縁に乗せた自分の腕に顎を置きながら小さく反論する。 「………暁か。 ロクなこと喋らないな、アイツは」 ため息混じりに呟いた。 「………ナニ凹んでるノ」 「凹んでません」 「そんなに吸いたいノ」 「………別に」 「………」 「………」 「………もひとつあったな、」 片方で頬杖をついたまま、私と視線を合わせる。 「ゴキゲンとる方法」 糖度を増した瞳に、きゅうっと胸が甘く疼く。 先生の指の背が、私の頬を下から上へザラザラと刺激する。    指が去るとすぐ、先生の唇があてがわれて一気に脳が沸点に達した。 たまらなくて先生のシャツの裾をキツく握りしめる。 するすると器用に頬から耳へと移動する、生き物のような温かい感触に小さく声がもれた。 「………ホント、耳弱いね」   耳元で囁かれるその低い呟きに、固く目を閉じてゾワゾワと湧き上がる蜜に耐える。
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