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今にも堕ちそうな私に艶っぽく揺れる瞳のまま、私の腕を一本ずつ、自分の首の後ろへと誘導する先生。
身体が密着して、しっとりと汗ばんだ先生の両腕から漂う甘くそそる匂いが私を包む。
「ちゃんと、覚えて……」
再び重ねられた唇は、あっという間に私をこじ開け、当たり前のように先生が進入してきて。
強張る私の舌を器用にからめ取る。
途端、口いっぱいに広がるほろ苦いかおりに「ん、」と息が漏れてしまう。
一瞬だけ動きを止めた先生だけど、すぐに
私を捕らえ、絡ませ、小さく噛みつく。
苦さが私の唾液と混じり合って、湿った音を立てるから鼓膜まで麻痺しそう……。
先生の首の後ろに回した手に、ぎゅっと力を込めると、応えるかのように強く抱きすくめられる。
刹那、がくっと膝が意志を失って身体が沈み込んだ。
「ーーーっと」
間髪入れずに腰を抱えてくれる先生に支えられ、なんとかバランスを保つ。
「お前の周りで一番悪いことするヤツは、俺だな」
息のかかるくらい至近距離で、独り言のように自嘲気味に呟く先生。
「………じゃあ、きもちいい」
驚いたように目を見開く先生に、霞がかった脳のまま初めての感情がこぼれた。
「先生と、悪いことするのって………きもちいい」
もっともっと、先生に近づきたくて覚束ない足で背伸びをする。
ひゅっ……先生が、息を吸い込む音がダイレクトに鼓膜を揺らす。
「……上等」
ニヤリと口角をあげてーーー
荒々しく私の唇を塞いだ。
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