第1章

25/39
前へ
/39ページ
次へ
ぼんやりと思考回路が麻痺していくのを感じながら、思った。 好きって、不安で切なくて、甘いのにしょっぱくて、痛くて………。 ビリビリと全身を刺す毒みたいなものなのに、欲しくて欲しくてたまらない。 もっともっとって、欲張りになっていく。 満たされる基準がどんどん上がって行っちゃうんだ。 そんな自分が、少し、怖かった。 そして。 このあと、先生の携帯にかかってきた1本の電話で、すべてが噛み合わなくなるような波に飲み込まれるなんて。 想像もしていなかった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加