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私の声に隣の柴田君も顔色を変えて立ち上がる。
「えっ!?センセー!?」
「もしもし、悠花さん!?どうしたんですかっ!?」
携帯をぎゅっと強く耳に当て、消えそうな声を聞き逃さないように神経を集中させる。
『たす……けて……。
おねがい……』
「おいっ!羽村っ!!どうしたんだよ」
「悠花さん!?もしもし、悠花さんっ!!」
「貸せっ!!」
私からもぎ取るように携帯を取り上げると、柴田君が大声で呼びかける。
「センセー!?もしもし、センセー、今どこ!!家、家いんの!?
もしもしっ!?」
チッと舌打ちして荒々しく私に携帯を持たせた。
「切れた……、どうなってんの!?」
嫌な予感に冷や汗が吹き出して、手足が震える。
柴田君も顔面蒼白で、髪の毛をガシガシと掻き乱す。
「俺、センセーんとこ行ってくる!」
「わ、私も行く!!」
「お前はうち帰れ!
あとは俺がなんとかするから!」
「でもっ!!悠花さんは私に電話してきたんだよ!?助けてって!
だから私も行く!お願い、柴田君!!」
今にも走り去りそうな柴田君の腕を掴んで懇願する。
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