第1章

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私の声に隣の柴田君も顔色を変えて立ち上がる。 「えっ!?センセー!?」 「もしもし、悠花さん!?どうしたんですかっ!?」 携帯をぎゅっと強く耳に当て、消えそうな声を聞き逃さないように神経を集中させる。 『たす……けて……。 おねがい……』 「おいっ!羽村っ!!どうしたんだよ」 「悠花さん!?もしもし、悠花さんっ!!」 「貸せっ!!」 私からもぎ取るように携帯を取り上げると、柴田君が大声で呼びかける。 「センセー!?もしもし、センセー、今どこ!!家、家いんの!? もしもしっ!?」 チッと舌打ちして荒々しく私に携帯を持たせた。 「切れた……、どうなってんの!?」 嫌な予感に冷や汗が吹き出して、手足が震える。 柴田君も顔面蒼白で、髪の毛をガシガシと掻き乱す。 「俺、センセーんとこ行ってくる!」 「わ、私も行く!!」 「お前はうち帰れ! あとは俺がなんとかするから!」 「でもっ!!悠花さんは私に電話してきたんだよ!?助けてって! だから私も行く!お願い、柴田君!!」 今にも走り去りそうな柴田君の腕を掴んで懇願する。
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