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「………分かった。自転車、後ろ乗れ!」
大きく頷いて柴田君の自転車の後ろに座る。
「飛ばすから、しっかり捕まってろ!!」
答える間もなく、あっという間に加速する自転車。
振り落とされそうになって、思わず柴田君のシャツを掴む。
「羽村っ、そんなんじゃ落ちるから!!
しがみつけ!!」
柴田君が強引に私の手を取り、腰に絡ませる。
その背中に密着したことで、ようやく安定したのかさらに速度を増した。
慣れないスピードに、腕に力を込めてぎゅっと目を閉じる。
手のひらまでじっとりと湧き出る冷たい汗。
お願い!お願い!!お願い!!
悠花さん、どうか無事でいて!!
さっきの、切迫した声が繰り返し繰り返し、脳内で再生される。
「ーーー着いたぞっ!!降りろ!!」
自転車を放り捨て、悠花さんの部屋へと走る柴田君の背中を追う。
あんなに長時間自転車を漕いでヘトヘトのはずの柴田君だけど、すごいスピードであっという間にエントランスを抜けてしまった。
「センセーっ!!!」
勢いよく玄関のドアを開けた柴田君に続いてドアをくぐるとーーーーー。
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