第1章

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『……ま、ヤになる前に言いなサイ』 「え?」 『アンタ、機嫌取るの面倒くさそうだカラ、その前に言いなサイ』 ふわぁーと、あくび混じりのセリフで、胸にひとつ、花が咲く。 照れ隠しのようなその言い方に、頬が熱を持つのがはっきり分かる。 「ありがと……です」 『ドーイタシマシテ』 ワザとぶっきらぼうに喋る、この分かりにくい表現の仕方も。 どうしよう。 たまらなく、好きだなんて………。 墜ちる一方だ。 『………何が残ってンの、課題』 「えっと、化学と世界史が……」 『……なんか微妙なラインナップだな』
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