第11話

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「ねぇねぇ、できた?」 「聞かないでー!もう終わったからいいじゃん。それよりこの後さ……」 ざわざわする教室。 試験が終了し、みんな解放感であふれている。 「やっと終わったねー。3人でどっか寄る?」 美妃がファーストフードやカラオケのクーポン券を机に並べていく。 「私、甘いもの食べたい!」 花菜がはしゃぎながらクーポンを見比べ る一方で、早智は両手を合わせた。 「ごめん!彼氏と約束してる」 「やっぱりかー。花菜も彼氏出来たらそうなるよねー。遊んでくれる人いなくなっちゃうー」 嘆く美妃の頭を花菜がよしよしと撫でる。 「私もいないんだから、仲間だよ」 「でも、映画の約束取り付けてるでしょー?」 美妃が花菜の頭を拳でグリグリする。 「俺が遊んでやるぞー」 突然話に入り込んできたのは田口だった。 田口はカラオケのクーポンを手に取る。 「俺も行きたい。他にも誘おうぜ」 美妃は溜め息をつく。 「田口かー。私は早智と花菜がいいのにー」 「他に誰誘うの?」 花菜は田口に聞く。カラオケはあまり得意ではないから、よく知らない人とは行きたくない。 田口はにやにやする。 「成宮誘う?」 「え?」 花菜は困惑する。 一緒にカラオケは、想像したことがなかった。 上手いのだろうか。 なんだか想像出来ない。 「いいね!誘おうよ」 美妃が乗り気になる。 「えー?ちょっと面白そう。私も行きたくなってきた」 早智が頬をふくらませるのを、美妃が面白がる。 「彼氏持ちは、デートでもどこでも行きなさい。成宮ってカラオケ上手いの?」 「……俺も、部活仲間で行った時に聴いたぐらいだけど。普通じゃないか?」
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