第11話

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嫌がってる。 田口はメール見ながらヒーヒー笑っている。 いったい何てメールしたんだ。知りたい。 「ねぇねぇ。何てメールしたの?怒ってるんじゃない?」 早智と美妃は苦笑する。 「大丈夫だって」 「そうそう。花菜は気にしなくて平気だって」 「他にも誰か誘うか?成宮が嫌がるから、サッカー部の連中は誘えないし……」 「どうして?もしかして仲悪いの?」 花菜は首を傾げて聞き返す。 上手くいってないのだろうか。そうは見えなかったが。 「いや、仲は悪くないよ?ただヤローの中にいてほしくないんじゃね?」 「え?何の事?誰が?」 「もうボクの口からは言えません。あとが恐いので」 「恐い?なんで?」 「黙秘を主張します」 田口が片手を上げて言うが、明らかにふざけている。 「なんなのよー?」 「まぁまぁ、花菜。そのへんで許してあげて」 美妃が苦笑する。 そういえば、最近の美妃は樫原先輩の話を全くしていない。 今までなら、樫原先輩を誘って欲しいと懇願しそうなものだが、全くその気がないようだ。 やはり田中のせいなのだろうか。 「美妃、先輩はいいの?田口に呼んでもらうチャンスじゃない?」 花菜は意地悪く聞く。 「え!?」 早智がにやにやして煽る。 「そうだそうだ。最近全然聞かないもんねー。どういう訳か」 「なになに。サッカー部の先輩じゃなかったのかよ?」 田口が焦ったように身を乗り出してくるのを美妃が制する。 「田口には関係ないでしょー?絶対言いふらすもん」 「いや、マジなら言わないよ。だって、先輩は憧れてキャッキャと騒いでただけだろ?ファンみたいなもんでさ」 田口の一言に、美妃の表情が固まる。 「……確かに、そんなとこはあったけど……」 「だろ?だから、本命が出来たなら応援してやるよ。だから、誰なのか教えて?」 にやにやする田口に、美妃が溜め息をつく。 「だから、田口には言いたくないの!」
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