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借りていた傘を返しにアロマショップへ向かう途中、アクシデントが起こった
よそ見していたせいで女とぶつかり、お互いの荷物をぶちまけてしまった
こんな街中で何やってるんだと、自己嫌悪に陥る
「すみません。怪我はありませんか」
「大丈夫。私のほうこそ、ごめんなさい」
急いで拾おうと屈んだ時、相手の動作と被り、至近距離で目が合った
その瞬間
鼻をかすめた匂いに、意識を丸ごと持っていかれる
「あなた『セント』の店員さんなの?」
「……え?」
「だって、この傘に書いてあるロゴ、私がいつも利用しているお店と一緒だよ」
そう言って微笑んだ女……女性は、かなり魅力的な部類に入るだろう
「雨の日に借りたので、これから返しに行くところです」
「ああ! そうなんだ」
メイクの必要も無い顔の造り
艶のあるセミロングの髪は、絶妙なバランスでセットされている
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