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phase1
トイレから出られない状態が続いていた。
痛みが断続的にやってくる。
下痢の酷いようなもので。出したくてもなにか肛門の辺りで突っかかっている感じが続いていた。
脂汗が出てくる。
病院には今朝、行ってきた。正確に言うと昨日の夜中に行き、入院までしていた。――ここ四日ほど陣痛が続いていて、一時間に六回痛みの波が来るときもあれば三回程度のときもあった。電話をしたのは一時間に七回間隔になったときだったが、電話を受けた助産師も「念のため来てみては」という言い回しをしていた。
早く、産みたい。
赤ちゃんに、会いたい。
その一心だった。
穴からすいかを出すようなものだから痛いに決まっている。
でも。みんな乗り越えた痛みだ。
といっても、自分に耐えられるかものすごく不安だ。
痛いのは苦手だ。(得意な人間のほうが稀有だが)
――とっとと痛みとオサラバしたい。
「こんなんじゃあまだまだですよ。もーっと痛みが強くなってから来てくださいね」
「……というと」
「ご主人の顔ももう見たくない! あっち行って! ってくらい痛くなったらですね」
「はあ……」
一晩入院してみた結果、医師に言われたのがそれだった。
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