phase2

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phase2

 症状を説明したところ、とりあえず来て下さいと言われた。――またか。今朝持って帰ったばかりの入院キットを持ってタクシーを呼ぶ。玄関でタクシーを待つ間、夫にメールをした。定時を過ぎており、病院に直行すると返信が来た。  再び病院に到着する。――通常の診療時間を過ぎていたので、インターホンで呼んで開けて貰った。今朝行ったばかりの産科病棟に行く。入って左手の長椅子に、顔色の青白い旦那さんが所在なさげに座っていた。右手の分娩室のランプが点灯中。――使用中。  廊下を走り歩きしている助産婦に案内され、今朝入院していたのと同じベッドに横になった。  彼女の説明によると、個室が四つと五人部屋が一つあるのだが、出産が立て込んでおりすべて個室が埋まっているとのこと。……彼女も相当忙しそうだった。わたしのお腹にNST装置をつけると、カーテンを閉め、慌ただしく病室を出て行った。  不定期にやってくる痛みに耐えながら数値を見ていた。  NST装置には、赤ちゃんの心拍と自分の心拍らしきものが数値で表示される。100いくつを前後。 「ぐ」
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