第1章

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         波乱万丈な日々 「ザ~」、という低いノイズが流れていた・・・。 周りの空間は円形になっている白い奇妙な空間だった。 その中で、一人の男の子が初めて目覚めた。 彼は正面に見える、例えるなら深夜のテレビ番組が終了した白黒のザ~と言う画面と同じ映像を見ていた。 彼には感情や何かを考えるというものはまったく無く、ただ疲れては眠り、おきては何も考えず白い空間を見詰めているという時を過ごした。 それから時がたったある日。 長谷川勇太は二回目の目覚めをした。 彼の目には、家に置いてあるいろいろなものが目に移り、これはなんだろうという好奇心の感情が芽生えた! そのうち自分が寝ていた布団から出て、色々なものを触って楽しくなってきた。 勇太が遊んでいると障子が開き、彼の母である長谷川美津子が勇太にズカズカと歩み寄り、大声で怒鳴った。 「勇太、起きたんなら部屋を汚くするのはやめなさい!まったくもうダメな子ね」 それを聞いて、勇太は恐怖心にかられ泣きそうになった。目には涙がにじんでいる。 「勇太、迷惑をかけたらゴメンなさいでしょう!?返事は??」 勇太はそう怒鳴られて小さな声でゴメンなさい、と言った・・・・・。 母が言う。 「ちょっと出かけてくるから、留守番していなさい」 そういって、彼女は急いで出かけて行った。 勇太は家で一人ぼっちになった・・・。そのうち怖くなり先ほどの恐怖がよみが えって、大泣きをした。 だが、心をいやすものは何もなかった。 部屋はいろいろなものが散乱していたが、かたずけるのを忘れてそのまま深い眠 りに沈んでしまった。 夕方の五時過ぎ、兄の良一が帰宅した。良一は部屋を見るなり寝ている勇太に対 して大声で怒鳴りつけた! 「おい!おきろ!バカ」 勇太は突然起こされて目の前にいる兄が怒り狂っている理由もわからず、オドオ ドした。 「おい、バカ、部屋を掃除しろ。こんなに汚しやがって、オマエ頭おかしいん じゃねえか。」 勇太は頭が真っ白になり、そのあと悲しくて泣きだした。 そんな勇太の姿を見 て良一が言う。
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