第1章

4/5
前へ
/5ページ
次へ
「まって、勇太君、ダメだよそんなことをしては。ちょと僕の話を聞いてくれる。」 声は優しく勇太に語りかけた。 勇太はその声に特に不思議と思わず言った。 「もういいよ、どうやら僕は悪い子みたい。死んだらもう泣かなくてもいいよね」 勇太は絶望の中そういった。彼にとって何の希望もなく、ただこの地獄の生活を 一刻も早く終わらせたかった。しかし、不思議な声は言う。 「あのね、僕は君と友達になりに来たんだ。だから僕と楽しい話をしようよ。い い。」 声はひたすら優しく親身に話しかけた。そして何か得体のしれない強大な意思の 塊が勇太の心に流れ込んできた。声はこの状況をこう思っていた。 「今、勇太君はすごくつらくてさみしいんだな。そうだ何か面白くて優しい話を しよう。」 そう声の意思は伝えてきた。それは勇太のすべての心を瞬時に理解し、だからこ そ優しく包み込もうとする強大な心の意思だった。そして声は泣いている勇太に 不思議なおとぎ話を眠りにつくまで聞かせた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加