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「私の他にもセフレがいるんでしょ? 別に隠さなくてもいいのに。私、別に怒らないけど? 田原さんが他の人と寝ても」
「…何それ? 何言ってんの?」
取り合う気はない、とでも言うように呆れた返事。
「田原さんはっ…」
勢いよく話しかけたその時、
下の階のドアが開く音がして二人とも注意がそちらに向いた。
「とにかく寒いし、中、入って」
ご近所さんの目を気にして素早く手首を引っ張られ、反動で仕方なく中へ足を入れる。
あ…れ?
内装は古びたものを想像していたけど全然違って新しいし、おしゃれだ。
「…中、奇麗ですね。 壁とかも」
不思議に思い、思わず中を見回す。
田原さんらしくモノトーンでまとめられていて、ガラスの入った引き戸の奥にシングルベッドの先っぽが見えている。
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