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二人が立ちあがったのを合図に、棒立ちになっていた私の足もやっと動く気になった。
急いで角を曲がって更に小さな路地へ隠れ、
意味もなくバッグからスマホを取り出し、
体裁を取り繕うように画面を操作するふりをする。
別に、こんなカモフラージュをしなくても
通行人は私のことなど気にもとめていないのに。
何か、急に笑えて来た。
はは、そ…か。
私の他にも、いたんだね、そういう人。
そうだよね。
セフレになってくれって堂々と私に言った人だもの。
よく考えれば、他にもいないわけない…か。
「…………」
違う。
田原さんはそんな人じゃない。
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