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「何か、あったの?」
「えっ、」
「何か、全然元気ないじゃん」
確かに、糊ではりつけたような笑みしか出せてないのが自分でも何となくわかる。
「う…ん」
いつもなら明るく返せる所を曖昧な返事で返してしまった。
「何? 話ってそんな深刻なの?」
「いや、そうじゃ、ない、けど…」
「…俺の家、行こうか」
「えっ?」
まさかこんな展開になるとは思わなかった。
「ここから徒歩10分で、そう遠くないからさ」
もちろん、田原さんの家に行くのは初めてだ。
いつもラブホテルばかりだったから。
「でも…」
「ベッドの下を探してもエロ本とか隠し置いてないから優子を入れても大丈夫。後々脅されるようなやましい物は何もない」
「…脅しませんよ」
私に元気を出させようと、明るいトーンで話してくれているのがわかる。
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