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ある日の放課後、それは起こった。
忘れ物を取りに引き返した私は教室のドアを開けようとした時、中から聞こえてくる男の子の声に凍りついた。
『なぁ、白河ってどう思う?』
『真面目すぎじゃね?
いつも勉強してんじゃん。
でもメガネしてない時ちょっといいよな』
『やめろよ。気持ち悪い。
あいつ勉強しか取り柄のない女じゃん。
つまんねえよ』
思わず耳を疑った。
最後の声は彼だ。
小学校高学年にもなれば、周りの男子は性的な話をすることが多くなった。
けれども、地味で目立たない私は、そういう話題の対象にはならないと思っていたから、気にもしていなかった。
彼の言葉に数人が嘲笑している。
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