2.勉強だけの女

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ある日の放課後、それは起こった。 忘れ物を取りに引き返した私は教室のドアを開けようとした時、中から聞こえてくる男の子の声に凍りついた。 『なぁ、白河ってどう思う?』 『真面目すぎじゃね? いつも勉強してんじゃん。 でもメガネしてない時ちょっといいよな』 『やめろよ。気持ち悪い。 あいつ勉強しか取り柄のない女じゃん。 つまんねえよ』 思わず耳を疑った。 最後の声は彼だ。 小学校高学年にもなれば、周りの男子は性的な話をすることが多くなった。 けれども、地味で目立たない私は、そういう話題の対象にはならないと思っていたから、気にもしていなかった。 彼の言葉に数人が嘲笑している。
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