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時が経つにつれ、自分の経験したことはありふれた失恋話の一つだと理解できたし、こんな小さな出来事を引きずられている自分が心底嫌だった。
やがて、男子から隔離された今の世界から脱出したい気持ちが芽生えた。
高校はエスカレーター式で上がれたが、先生の反対を押し切り、よりレベルの高い県内有数の進学校を受験し直し、無事、合格を果たした。
共学を選んだ理由は、言うまでもないと思う。
けれど、待っていたのは、特進クラスでの勉強漬けに追われる日々だった。
おまけに恋がしたいと夢みても、長年培われた内気で引っ込み思案な性格は直るはずもなく、さらに3年間女子中学だったこともあり、男子に対する免疫もない私は、高校生になってもクラスの男子と何を話せばいいのか分からず完全八方塞がり状況だ。
そんな私に話し掛けてくれる男子は少なくなっていき……。
白河葉瑠は”大の男嫌い”という噂が立ってしまった……らしい。
美菜が教えてくれた。
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