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「実はな、今日から新しい仲間が増える。
楢崎、入っていいぞ」
その思いがけない一言にクラスが急にざわつき出す。
先生に促され、教室の扉から彼が姿を現すと、一転、息をのむように静まり返った。
「初めまして。楢崎怜斗(ならさきれいと)です。
ここ三年はアメリカにいたんで、久々に帰国してまだ日本慣れしてないんですけど……ま、仲良くして下さい」
無造作に整えられた真っ黒な髪。
奥二重の涼しげな大きい瞳。
長身なスタイルが彼を一際目立たせる。
彼は無愛想な挨拶の後に、はにかんだ笑顔を見せた。
気になりつつも、視線を動かさずにいると、彼は目を細めて屈託なく笑う。
突然の無防備なその笑顔に一気に胸が高鳴る。
私だけでなく女子の誰もがノックアウトされたと思う。
それほど、彼の笑顔には誰をも惹きつける破壊力があった。
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