第1章

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「いらっしゃいませー」 「お汁粉とお団子ください」 いつもの甘いもの尽くしのご注文 「お久しぶりです沖田さん」 「あぁ、笹さん 最近見かけませんでしたが」 どうされたんですか、と沖田さんは気さくな笑顔で話しかけてくれた 「秘密です」 「む、常連客様に向かって隠し事ですか いただけませんっ」 むうっとふくれる沖田さんはお茶目そうで、いつもながら、かの新撰組の一番隊隊長様には見えません 「お笹は喧嘩で怪我しちまったんだよ このじゃじゃ馬は落ち着きがなくてねぇ 嫁の取手もなくて困ったものさ」 「あははーそうなんですかー笹さん 私あれほど危険なことはするなといいましたよねー?」 「いえいえ やむを得ませんでしたから」 凄んで見せる沖田に笹はケロリとした笑顔で言った 「いえいえってあなた… 笹さんあなたは女子でしょう! あれほど危険なことはやめなさいって言ってるのに! 仕舞いには私の嫁に来てもらいますよ!!」 「ごめんなさい 勘弁してください」 「……、 どこ怪我しちまったんですか」 「背中とお腹です」 「大事じゃないですか! 何してんですか、もう… 切り合いの中にでも飛び込んだんですか?」 「…言葉もないです」 「飛び込んだんですか!? もう…何やってんですかもう… 刀抜いた人間は危ないですよと、 一番近寄ってはいけませんよと、 あれほど言ったじゃあありませんか」 沖田は笹の両肩に手を置いて諭す 「でも」 「またでもでもだってですか?」 「…」 「良いですか、それは私たち新撰組のお仕事ですから、ね」 「…でも」 「……」 沖田は目で叱るように笹を見た 「…ごめんなさい」
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