第1章

7/21
前へ
/21ページ
次へ
「お前遅えよ!酒がなくなっ… 誰だその娘」 先ほど青年を平助と呼んだ男が笹を見てびっくりしている すると娘という言葉に釣られてその場にいた集団がサッと笹の方を向いた 「おいおい誰なんだよヒック 花よりも団子よりも女だぜぇッヘヘヘ」 ぐでんぐでんになった男が声をかけてきた すると青年浪士はドヤ顔をして言った 「俺の嫁ぇ」 「えっ…ちがっ酒くさっ…!」 青年浪人は笹の肩を抱いた するとよくわからない歓声がわいた 「違いますって!」 「おいおい素面の一般人に絡むなよお前ら」 最初に青年を呼んだ男が呆れた顔をした 「悪いな 酔っぱらいはほっといてさっさとうち帰んな」 男はあまり酔いが回っていないらしく、苦笑いで言った 「おいおい新八ぃーック お前だけいいとこ取りかーヒック」 「原田お前いい加減にしろってさっきも言ったろ もうお前飲むな」 「んだよぉ女だけでなく酒まで取り上げる気かあ!?」 「うるせ!耳元で怒鳴るな!」 「新八さーん、団子おー買ってきた」 「あぁ、ありがとな」 「新八さーん酒も」 「ちょっと今忙しいから!」 笹は青年の手を外そうとしながらもこの混沌とした状況の中にクスッと笑ってしまう そんなとき 「笹さん、何やってんですか」 「あ、沖田さん!」 「私言いましたよね、酔っぱらいほどめんどくさいものはないですよと」 ――――――――――― ――――――――
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加