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死にたい。
と、川へ飛び込んだ。
心臓にひたひたと水が染み込んでくるのがわかる。
温かく波打っていた私の心臓は、水に侵されて冷たく静まった。
波が身体を運ぶ。
遠くへ、遠くへ。
私の体は海で朽ちるだろう。
穢れた腐った体を食べる魚はいない。
太陽は私を忌んで冥い水底へ突き落とす。
かなしいね。
と、誰かが囁いた。
かなしいね。
と、答える代わりに、私の骨はぽろぽろ崩れる。
細かい砂粒に混じっても私のそれはすぐわかる。
呪われた白をしている。
川へ飛び込んで10年で海へついた。
海へついて50年で骨になった。
それからもう50年で砂粒になった。
砂粒になって100年経った。
クライ クライ クライ
私は、かなしいね。と、さすらった。
それからまた200年。
私は地球の涙のひとつぶになった。
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