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「やべぇ、超肩凝ってるぅ~。
こんな時は……コレよ、コレぇ~!!」
裸でゴソゴソと洗面台の棚を探る。
満面の笑みで見つけた宝を高らかに掲げる。
ご丁寧に片手を腰に当てポーズをとり。
一人で。
発泡タイプの入浴剤を……
「……。」
満面の笑みは、能面の様なノッペリした表情に変わる。
ほんの少しの自嘲というアクセントも忘れない。
「何やってんだか……。
阿呆くさっ……さっさとお風呂入ろ。」
自分の残念な行動に 自分でツッコミを入れる、という何とも寂しい事をして宝(入浴剤)を片手にバスルームの扉を開いた。
浴槽に宝を投げ入れれば。
……シュワ… シュワ シュワ……
お湯の中で細かい泡を出しながら、肩凝りに効果があるであろう何かと共に溶け、宝は あっという間に消えてしまう。
そんな様子をボーッと見詰める時間も、頭を休めるには丁度良い時間。
意味も無く、フッと薄い笑みを浮かべれば、手早く身体を洗い浴槽に身を沈めた。
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