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研究を行うクリス・モーリン博士が、このクロニック・デジャヴを持つ人にはじめて出会ったのは、記憶障害のクリニックであるという。
「ある男性がクリニックに来て、自分は前にもここに来たのに、どうしてまたここにいるのか、と言うわけです。
そして男性は、自分がクリニックを訪れた経験があると頑なに信じているだけでなく、私と"初めて"あった時の事を微に入り細にわたって語ったんです。
実際には、彼がここに来たことなど無いにも関わらずです。」
既知感そしてこのクロニック・デジャヴは、やがて男性の生活全てにつきまうようになったという。
例えばいつからか、彼はテレビやニュースを見ることを止めた。
何故ならば、彼の目に映るそれらはただ毎日、同じことを繰り返しているように感ぜられたからである。
また例えば外に出るなり、彼の耳は鳥が常に同じ鳴き声で鳴いているのを聞いたという。
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