第1章

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まるみが力いっぱい俺の腕にしがみ付いて来た。 そんな必死なまるみを見て、なぜだか、胸がカッ熱くなった。 なんだ? この思いは…… それは、今まで、感じたことのない苛立ちに似た思いだった。 ツカサを心配して必死にすがりつくまるみの顔に、怒りに似た思いが込み上げて来た。 俺は……ツカサを思うまるみに、なぜ、腹が立っているんだ? メモに目をやったまま、立ちつくしている暁に 「暁……まるみをツカサの病院まで連れてってくれないか」 「俺がまるみを?お前はどうするんだよ」 「ああ。俺なら、どうにでもする。この人との取引も有るしな」 女に親指をクイクイと向けた。
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