10/34
前へ
/254ページ
次へ
「・・・誰?」目を開けた彼がヘッドフォンをはずし て怪しむように尋ねてきた。 少し長い前髪に隠れていた目が風によって横に 流され大きな瞳が私をとらえる。少しつめたい風 に当たりながら体を起こした彼のシャツから彼の 引き締まった体が一瞬覗く。 高校一年生には見えない。 私は年上っぽい雰囲気がする彼に少しおびえながら口を開いた。 「あ、蒼井奏多くんだよね?」
/254ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加