解放

17/19
740人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
言葉に詰まったままの私に 優しく微笑むと 琉惺は大きな手で頬を包み込む。 「だから解放するなんて言うな。 お前はこれからも ずっと俺ん中に居座っててよ」 「……………」 「今は秋人さんの次でもいい。 だけどいつかお前ん中を全部、 俺色に染めてやるから」 …もう何も言葉なんて 見つけられなかった。 ただ…包み込まれた頬に はらはらと落ちて行く涙も そのままに彼を見つめるしか 出来なくて。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!