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言葉に詰まったままの私に
優しく微笑むと
琉惺は大きな手で頬を包み込む。
「だから解放するなんて言うな。
お前はこれからも
ずっと俺ん中に居座っててよ」
「……………」
「今は秋人さんの次でもいい。
だけどいつかお前ん中を全部、
俺色に染めてやるから」
…もう何も言葉なんて
見つけられなかった。
ただ…包み込まれた頬に
はらはらと落ちて行く涙も
そのままに彼を見つめるしか
出来なくて。
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