解放

11/19

740人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「もう…琉惺は… あの街に戻っちゃいけない。 専務にどれだけ誘われても 宴に参加しなかったのは あの街に戻りたく なかったからでしょう? だからもう… 秋人の事は忘れていいんだよ」 その言葉で微かに揺れた 琉惺の背中。 今までずっと苦しめてごめん。 私があの文字を 消さずにいた事が、 琉惺にとってどれだけ 苦しい時間だったのか。 今更…気づいてごめん。 彼の腰に回した手に 微かに力を込め、 私は穏やかに言葉を紡ぐ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

740人が本棚に入れています
本棚に追加