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「もう…琉惺は…
あの街に戻っちゃいけない。
専務にどれだけ誘われても
宴に参加しなかったのは
あの街に戻りたく
なかったからでしょう?
だからもう…
秋人の事は忘れていいんだよ」
その言葉で微かに揺れた
琉惺の背中。
今までずっと苦しめてごめん。
私があの文字を
消さずにいた事が、
琉惺にとってどれだけ
苦しい時間だったのか。
今更…気づいてごめん。
彼の腰に回した手に
微かに力を込め、
私は穏やかに言葉を紡ぐ。
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