解放

13/19
740人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
ガクリと落ちた琉惺の肩で 私は全てを悟る。 きっと琉惺があの夜 私を抱いてくれたのも 私の苦しみを全部食べて くれたのも… 全ては秋人のためだった。 だからもう… 「解放してあげる」 背中に呟いた言葉で 琉惺がゆっくりと振り返り 悲しそうな瞳で見下ろされる。 「それ…どういう意味?」 「もう無理しなくていいよ」 「何が言いたいの?」 それまで言わせるなんて やっぱり琉惺は意地悪だ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!