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泣きそうになって
俯いた途端、
堪えていた涙が零れ落ちる。
いつの間に私はこんなに
琉惺を好きになっていたんだろう。
欲しいのは身体だけ。
心なんていらないって
ずっと思って来たのに。
最後の言葉が言えなくて
息が苦しくて、
締め付けられた喉の奥が
痛くてたまらない。
───その時。
「お前さ…
全然分かってねーな」
ポツリと落ちて来た言葉の後、
琉惺の腕が私を
優しく包み込んだ。
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