解放

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熱い吐息の合間に 柔らかい声が言葉を紡いだ。 「俺だけ信じて、 俺だけに溺れてろ」 溢れ出した思いが 全て琉惺に吸い込まれて行く。 もうどこにも行かないで。 心でそう叫びながら 滑り込んで来た舌を 必死に受け止めたのに…。 気づかぬうちに 抜けられない深い闇へと 私たちは落とされていた──。
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