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…けれど…。
あったはずの鍵は、
そこにはなくて。
肩を落とした俺に
背中から落とされた
奈緒の声。
「…どうして…?」
振り返った俺の目に
映りこんだのは、
ポタポタと涙を落とし続ける
奈緒の瞳だった。
「違う…」
「…渡したの…?」
「だから違うって!」
「じゃあ今すぐ合鍵出して!」
…何も言えなかった。
幸せだった時間は
いとも簡単に崩れ去って行く。
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