悪逆無道

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「俺を信じてくれねーの…?」 力なく言った言葉に 彼女から返って来たのは たった一言だった。 「…帰って…」 開きっぱなしの バスルームの壁の文字が まるで惨めな俺を あざ笑っているように見えて グッと唇を噛みしめる。 誰だ? いったい誰なんだ? 小さく肩を揺らす背中は 俺という存在を全力で 拒絶していた。 ──秋人さん。 やっぱアンタはどうしても 奈緒を自分から 解放しないって事か…。
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