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「じゃあ一試合目の人たち…準備を始めてください…それと…関係ない人たちは外で待っておいて…」
俺はこう言った。
「なんで…なんで外に出ないといけないんだよ!」
「君たちに勝敗を教える義理はないし…そっちの方があとになるにつれて…ドキドキするだろう?」
「くっ…!」
こいつら…人の命をもてあそびやがって…!
「いいから早く出て…そうしないと…みんな死ぬハメになるよ…?」
ここまで言われたら従うしかない。仕方なく俺は外に出ることにした。
「ああ…自分の部屋には戻っちゃダメだよ…」
「…!わかってるよそんなこと!」
苛立ち混じりに部屋を出て、控え室の様な場所のイスに座った。
すると俺に話しかけるやつがいた。紛れもなくその人物はソラだった。
「キミも同じブロックだったのか」
「ああ…できればお前とは戦いたくなかったよ」
「まあそんなこと言わないでくれよ…僕だってキミと戦いたくなかったさ」
「よく言うよ…日本で最強のプレイヤーのくせに。」
「だから嫌なんだよ…僕がここにいる人達全員を、殺してしまうってことだろう?そんな重圧、耐えきれる訳がない」
「…以外と肝は小さいんだな」
「うん…だからもしキミとバトルすることになったら、僕はキミに勝ちを譲るよ」
「…なんだと?」
「そのままの意味だよ。まあキミが決勝までこれれば、だけど」
半ば挑発気味のソラの態度にイライラした。
「…やってやるよ。そしてあくまで全力でお前を叩きのめしてやる!」
「へぇ…それは楽しみだ」
「せいぜい首を洗って待っておけ」
「ふーん…まあお互いに頑張ろうよ。勝負はそれからだ」
手を差し出してくるソラ。しかし俺はその手を払い除け、大きな声でこう言ってやった。
「見ておけ…最後まで勝ち残って、絶対にお前をブッ倒して俺が生き残ってやる!」
言ってからしまったと思った。この場でこんなこと言ったら、自分に味方はいなくなってしまう。まんまとソラに乗せられてしまった訳だ。
「いい度胸だなゴラァ!」
「やれるもんならやってみろよ!」
などと俺に向けて罵声が浴びせられる。否定しようにも、誰も耳を傾けてくれないだろう。
「あーあ…これでキミは一人になってしまったね。さて…キミは生き残れるかな?」
ソラの中にあるどす黒い面を垣間見た気がしたが、それも一瞬だった。すぐにいつものソラに戻ったのだ
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