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「離せよこのクソ風紀委員が…!風紀委員ごときが触ってんじゃないわよ…!!虫酸が走る…!」
シャルロットは僕の手を振り払い紋を描こうとするが、僕はシャルロットの右手を掴むのをやめない。
「…生徒会書記シャルロット、貴方が此処で魔法を発動すれば貴方の身柄を確保します。」
僕はシャルロットの右手を掴みながら淡々と言う。シャルロットはそんな僕を睨みながら掴まれていない左手で魔法を発動しようとする。
「黙れ…、気安く私の名前を呼ぶな…、気持ちわ」
「シャルロット、落ち着け。」
突然シャルロットの声を遮ってステージ横から出て来たのは、カルネだった。シャルロットはカルネを一瞥すると、僕を睨み付けた。
「ちっ…汚らわしい風紀委員が…。トーナメントで貴方を消してあげますわ…」
シャルロットは魔法の紋を書くのをやめて、僕の手を振り払った。
僕はシャルロットが紋を消したのを確認してステージから降りた。
喚いていた奴等はいつのまにか静かになっていた。
カルネはマイクを取ると黒い笑みを浮かべ…
『ふ…、文句があるなら今ここで僕に魔法を放つことだな。…そのお返しをトーナメントでたっぷり返してあげますけど…ね。』
と言った。冗談には聞こえず、あちらこちらで息を飲む音が聞こえた。
『後、さっき…、シャルロットに魔法を放った奴、立ちなよ。丁度良い、今日は学年合同トレーニングがあるんだ。その時シャルロットと一緒に組まないかい?』
カルネに言われて立った青年…3年だろうか…、震えて目が血走っている。僕は彼を不憫に思った。
学年合同トレーニングとは、学年が違う同士でペアを組み、対戦する…という内容で、過去にはこれで死んだ者も現れた。それも殺した奴は教長の命令で、退学にならなかった。シャルロットは彼を殺しはしないだろうが…、一生魔法が使えない身体にするだろうと安易に予想がつく。まぁその前に風紀委員が止めてやるがな。
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