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皆がチラチラと僕を見て話すのを僕は完璧にスルーして、自分の教室に入る。
入った瞬間に空気が重くなるのがわかる。
…一人をのぞいて。
「おー、あの『風紀委員』の委員長さーん☆おっはよー☆今日もネクタイ似合ってるよん☆」
語尾に☆マークがつくだろうと思うくらいに軽く話しかける奴は…生徒会の会計の奴だったような気がする。
言い忘れたが、ネクタイというのは、委員会ごとに色と模様が違う。
生徒会のネクタイは、赤にボーダー柄、風紀委員のネクタイは青にチェック柄だ。
そのほかの委員会のネクタイの模様と色は知らないが。
僕は、僕の席の前にいる奴の名前を呼ぶ。そりゃぁ、僕の席の近くからどけて頂く為だ。
「…エリオット、アーネス…」
「おー、名前覚えてくれてありがとー☆クリスティ、セシルちゃん?」
クラスの皆がくすくすと笑っているのがわかる。〝ちゃん〟と言われる程、僕は可愛くなどない。と思う。
177もある身長に…髪は黒。前髪が目にかかるほどで、背中まである髪…、女子に見えるのだろうか。ちょっと悲しい。
僕はエリオットを睨みつけると自分の席についた。睨みはエリオットには効かず、エリオットは僕を見て笑っていた。
最悪だ。本当に最悪だ…。
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