L学園

4/11
前へ
/13ページ
次へ
エリオットの笑みも、クラスの皆の視線も、僕にとっては屈辱以外何ものでもなかった。 唇を噛みしめる。早くこの時間が終われと願いながら椅子に座っていると、チャイムが教室に鳴り響いた。僕に向けられていた笑みや視線は止まり、皆は残念そうに前を向く。 と同時に、前に魔法陣が形成され担任が現れる。転移魔法だ。転移魔法というのは、様々な場所で使える便利なものだが、力のある者以外使うことは禁止されている、危険な魔法である。何故かというと、力の無い者…〝魔力の無い者〟は、転移魔法の魔法陣を形成する時に、魔法陣に十分に魔力が溜まらずに転移してしまい…、肉体と魂の分離が起こり、…最悪の場合は、〝死〟が訪れる。 だから、1年は転移魔法の練習ばかりさせられた。その時に、魂と肉体が分離して、死んだ奴もいた。魂の無くなった肉体は全て回収された。 俺は今、2年だがこの2年間、何人もの人が死んだ。 L学園というのは、そういう所だ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加