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『月が見えないよね』 こんな 僕の呼びかけに 嘘でもいいから 『うん』 って 言ってほしい 距離を 感じたくないんだ 今夜は 返信を 気にしながら シャワーを浴びるのには 慣れたけど 隣にいられない 寂しさに 毎夜 僕は 締めつけられる だから 『うん』と言ってくれ この息苦しさに 耐えるためにも 君が 誰とどこで 何をしていようとも こんな 雨上がりの春の夜 こびりついた 肌寒さが 目に染みる 声を聞くのは やめとくよ よけいに 悲しくなりそうだから
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