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受話口から聞こえる翔太の声に涙が交じる。
俺はまだ事実を把握しきれていないが、きっと翔太はそうじゃない。
対面した大雅はもう血の通わない人形のようになっていて、その冷たい姿を彼は目の当たりにしているのだから。
―――「なぁ、明後日の18時から通夜だけど、こっちに帰って来れそうか?」
気を取り直した翔太が俺に都合を尋ねる。
震える手でスマートフォンを握りながら、俺は今週のシフトを思い出していた。
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