3/25
前へ
/25ページ
次へ
肉にナイフを入れる和樹が クスリ笑った気がした。 「ええ、おじ様。兄妹の私が言うのもなんですけれど、征司は学校じゃ常に注目の的ですの。特に――女の子の間で噂にならない日はありませんわ」 貴恵が点数稼ぎとばかり 俺を押しのけしゃしゃり出る。 「ほう。それは羨ましい限りだ。天宮さんもこれだけ器量よしのお子さんばかり――どこに出しても鼻が高いでしょう?」 客人は上機嫌でワインをあけ 値踏みするように俺たちを見まわした。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加