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涼しい顔してサラダをつついているが ――間違いない。 テーブルをはさんだあちら側から あいつが色目を使ったんだろう。 「そろそろ行かないと――」 食事を終えると、デザートの前に紳士は席を立った。 「忙しいところ引きとめて申し訳なかった」 「いや楽しい食事だったよ」 親父と握手を交わしつつ、名残惜しそうにあいつをのぞき見る。 と――。
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