第3章【見えない恐怖】

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俺は息吹をしながら丹田に意識を集中した。 俺の少しの霊能力と空手の経験から、こうすると目には見えないものでも気配は感じるようになる。 相手が気を発していることが条件だが。 今、ここには俺と年雄以外に、かすかに老婆の気配はする。 食堂の女性の気配は消えてしまった。 あとは3人の男の気配…待てよ!老婆の気配のすぐ側に、小さいけれど物凄く邪悪な気配…。 この気配、小さいのに感じていると、やたらと気持ちが悪くなる…。 しかし、邪悪とはいえ気配は小さいのでまだ警戒しなくていいだろう。 今、警戒しなくてはいけないのは、そばにいる3人の男の気配…。 俺の霊能力では気配を感じることができても霊と戦うことはできない。 とにかく霊の攻撃をかわし、ひたすら逃げるための霊能力。 情けないが仕方ない。 3人の男の霊の攻撃をかわしながら逃げよう! と、俺は目で年雄に合図をした。
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