第3章【見えない恐怖】

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とはいえ、気配はとても近くに感じるのに、何故か3人の男の霊が攻撃してくる様子はない。 俺たちは、この隙にとばかり走り出した! しかし、その瞬間この世界全てを包み込むかと思えるほどの邪悪な気が、俺たちの頭上を覆った。 空はみるみるうちに黒になり、大粒の雨が俺たちを打った。 「ぎゃあ~!」 スコールと同時に老婆の叫び声が雨雲を裂き、その裂き目から稲妻が轟いた。 その瞬間に俺はわかった。 あの、小さいけれど邪悪な気配は日本刀の男の気配だったんだ。 俺たちを油断させるために、気配をできる限り小さくしていたんだ。 俺の脳裏に、腹を切り裂かれた時の記憶が甦った。
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