第1章【桜の季節】

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「ここらへんも、ようやく桜の木に蕾がつくようになったな。」 病室の窓から外を眺めながら俺は言った。 「そうだな。そろそろ湿原のアメマスが俺たちを呼んでるんじゃね。」 俺の高校時代からの友人であり、二人いる相棒のうちの一人【野田雅昭】が笑いながら言った。 俺には相棒が二人いる。 一人は今会話をしている【野田雅昭(のだまさあき)】だ。 彼は現在、自衛隊員をしている。 彼が用意してくれている『地形図』や『河川図』のおかげで、俺たちはまだ誰も足を踏み入れたことのないような絶好の釣りポイントに行くことができる。 彼は胸板も厚く、身長も185㎝とガタイがよく、顔も強面なので、初見の人は一歩後退りするほどだが、それに似合わず争い事は嫌いで、どちらかというとオットリしたタイプだ。 そんな彼がなぜ自衛隊員なのか不思議なところだが(笑)
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